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ないしょばなし

funnygirl.exblog.jp

水谷八重子 タワゴト

あなたがいれば

新派の婦系図からはじめましょうか。

あらすじ
柳橋芸者、蔦吉がただ一人の人と想う早瀬主税と、世帯を構えたのは、つい最近のことだった。

早瀬の恩師、酒井俊蔵には、内密のことなので、

日陰の身、お蔦にとっては生まれて初めてのしあわせだった。

だが二人の関係は、酒井の知るところとなった。

若い頃、スリ仲間に入っていた早瀬を、今の自分に更生させてくれたのは、酒井であった。

その、大恩有る先生の言い付けに、早瀬は血を吐く思い出必死にこらえた。

湯島の境内で、早瀬から打ち明けられた、お蔦にとって、真砂町の先生の命令とあれば、

別れる意外に道はなかった。

傷心の早瀬が故郷の静岡へ帰ってから、お蔦は「めの惣」の二階で病に伏せるようになっていた。

そんなお蔦の所へ、酒井の娘、妙子が訪れてくる。

居合わせた、芸者の小芳の胸は騒いだ。

妙子は、小芳が酒井との間に生んだ娘だった。

芸者家業の悲しさに、二人の眼に涙が浮かんだ。

お蔦の病は悪くなっていくいっぽうだった。

だがお蔦にとって、失意を乗り越えて、早瀬が鈴岡で、語学塾を開いたのを、

新聞で見られたことは、ただ一つの救いだった。

その早瀨の元へ酒井から、お蔦の危篤を知らせる電報が届いた。

重体に陥ったお蔦の枕辺に座った酒井は、お蔦の哀れさが胸に突き刺さる想いだった。

先生が許して下さった、、、最後の輝きを見せて、お蔦の意識は無くなった。

そこへ駆けつける早瀨、しかし、もう、お蔦の意識は戻らなかった。

「死ぬなお蔦!」早瀨はいつまでも叫び続けていた。


新派文芸部・中川寿夫氏による。



岩谷先生の作詞は、台詞から入って居る。

「奥さん、奥さんなんて、大きな声をおしでないよ、めのさん。
はんてんを着た奥さまなんざ、江戸にはおりません。ね?あなた」

お風呂へ 行くから 留守番して下さいな、 あなた。

     世帯が持てて うれしいわ 

日陰者だよって 人は云うけど  あなたがいれば あなたがいれば それで いい。

ママゴトみたいな 幸せが やっとあたしに きたのです。



「いい月、ねぇ ちょっと ちょっと、ごらんなさいよ。
あなた何だかこの二、三日、ふさぎ込んでばかりいらっしゃる」


二人で湯島へ でかけるのは初めてね  あなた

花見が出来て うれしいわ  例え内緒でも夫婦ですもの

苦労するのが  苦労するのが  楽しみよ

別れておくれと いうことは  死ねと云うのと おなじこと


「お蔦はわづらっております。長いことはないかも知れません。
あなたから、便りのある筈はございませんが、塾をお開きのことは新聞で知りました。
ほら、こうして切り抜きを胸にしっかり抱いております」


逢いたさ 見たさで 何年経ったでしょうか あなた

夢でもいいの 逢いたいわ長の別れです あたしもう、だめ

義理を立てれば 義理を立てれば  逢えません。

月夜に白梅 散るように 死んで行くのも  ひとり旅。


アップテンポのこの曲、お蔦の、喜び、不安、諦め、別れ、、、総て織り込める楽曲です。
by funny-girly | 2016-08-14 04:35 | 音楽 | Comments(4)
Commented by 浪速女 at 2016-08-14 08:02 x
舞台が浮かんできました(^_^)
Commented by 静岡の早瀬主税 at 2016-08-14 18:39 x
静岡から行きます!楽しみにしてます!伊東屋の息子さんと楽屋にお訪ねすることにしてます!
そのせつはよろしくお願い申し上げます!伊藤 彰
Commented by funny-girly at 2016-08-31 01:29
浪速女さま
昔の「ゆ〜〜しま、とおれぇば〜〜」と違う思いも寄らないビートの中の女の強い誓い。好きです。
静岡の早瀨さん
ご来場をお待ち致しております。
Commented by 弥生 at 2016-09-02 12:33 x
昨日、初日に拝見させて頂きました。

め乃惣でお召しになられていた帯はたれに兎が描かれていましたが、小芳さんは卯年だったのでしょうか。
祖母は明治35年生まれで叔父が神楽坂に住んでいたので(仕事場は湯島、自宅は本郷)祖母も婦系図には特別の思入れがあった様で、よく登場人物の髪型や着物の説明を私にしてくれました。

その事や祖母を思いながら拝見させて頂き、懐かしさでいっぱいになりました。

因みに私も仕事場が湯島で本郷で育ち蛸薬師さんの縁日は子供の頃の楽しみでした。

まだまだ暑いのでどうぞお身体お大切にお過ごし下さい。