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ないしょばなし

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水谷八重子 タワゴト

<   2013年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

「花影の花」なかば・・・殿さまの敵討ち、どころでは無くなって参りました。



10代半ばから可愛がって貰ったあの「越路吹雪」おねぇまのトリビュートが迫ってくる。

日生劇場は「越路吹雪」の劇場だったと云っても良いほど、おねぇまの匂いの染みついた劇場。


そこで、越路ファンは勿論のこと、越路を知らない人にも、

越路吹雪を語らねばならない重要なお役が、間もなく。

日生劇場の「越路吹雪」は近寄りがたい伝説だらけの大スター。


私が、可愛がって頂けたのは、日生のお隣のかなり古い東京宝塚劇場時代。

好きだった。何故か好きだった。訳は未だに解らないけれど好きだったおねぇま。

24時間くっついていたかった。

母親のスカートの影にすっぽりと隠れながら、片目だけ見ている女の子。

そんな感じだったのかも知れない。



「お嬢ちゃま、お嬢ちゃま」ってみんながチヤホヤするのが当たり前の新派から、

他人のメシを食わせに、母に出されて来た私だ。

歌舞伎など業界では、そう云う子を「邪魔ッ子」と呼んだ。

一心に勉強に励んでいる役者を追い抜いて、何にも出来ない七光りッ子が上に出る。

そう、私は邪魔ッ子出身者に他ならない。

ライバルも居たのだろうけれど、そんなことも知らずに来た。


ある時、   ビックリするほど前のこと。

母が東京宝塚劇場で「東宝歌舞伎」に出ていた。

長谷川一夫先生の相手役だ。

長谷川先生の宝塚を出たばかりのお嬢さま、長谷川秊子さんと私も出ていた。

どっちが上でもマズイ。そこで二人同じ楽屋に入れられた。

それは、私にとって何でもない出来事だった。

さあ、ところが、母の出ていない新派に、何故かこの私の役があった。

生意気にも両座、掛け持ち出演。さてとそこで、皆が困った。

私の入るべき楽屋がないのである。

松竹には「部屋子」と云う制度があって、有名人の邪魔子は、

親の楽屋に一緒に入れて貰うのだ。抱えて貰うのだ。

さあ、その親の母は東宝へ。

そのトレード要員で、越路さんが新派の演舞場の舞台に出演していた。

さあ、掛け持ち邪魔子さん、演舞場には楽屋が無かった。

「いいよ。良重と一緒で。」とスペシャルゲストスターが云ってくれた。

そして念願叶って、おねぇまの部屋に鏡を並べた。



宝塚の楽屋から演舞場に入った私に「大変だろう?対抗意識でサ」

「アンタと違って、秊子ちゃんは宝塚で揉まれてるから大変だろう?」

初めて、知った。対抗意識ってものがあるんだ!って。

そう云えば!うん!なるほど!

私が2センチのイヤリングを付けると、翌日、秊子ちゃんは4センチになる!

私だって6センチのを持ってくる!夜の部、彼女は9センチになる!

とうとう耳から下がって、肩の上に乗るイヤリングを二人共につけていた||


「競争心燃やされるとね、つくづく疲れるからね、私に気なんか使わないで、

足でも何でも投げ出して、好きにしてて良いよ」

「初めての、それも、かなり手強いライバルに出逢って、
生まれっぱなしの、この良重も参ってるに違いない」って。
そんな、そんな、そんな優しさで包んでくれたんだった。

こんな、ノンビリとのほほんとして見えるおねぇまでも、

宝塚の時代から、戦いに明け暮れてくたのだろう。

だからこそ、まるっきり無知としか云いようのない私を、
可愛がってくれたのかもしれない。

そんな、大事な大事な宝物の「おねぇま」を語り伝えなければならない。

お客さまを楽しませ、私がとりこになったように、
とりこにしてしまわなければなければならない、

至難のワザの役割だ。

「花影の花」大石内蔵助の妻「りく」これは立派な大役だ。
1人芝居と云えども、大ドラマの中の登場人物の1人にしか過ぎない。
そりゃあ、気の遠くなるような大冒険だけれど、りくと云う1人の女になってしまえる。

しかし、でも、しかし、今回、この役は、役なのだろうか?

どうすれば、この世に二人と居ない「越路吹雪」を伝えられるのだろうか?

私は、私でしかない。役ではない。

逃げ込める、別の女は存在しない。

作・演出の青井陽治先生におんぶにだっこ。その台詞だけで良いのだろうか。

でも、ピーターが池畑慎之介さんが、自信たっぷり、定評のある「越路吹雪」を見せてくれる。

私は、気負わず、難しい事は何も考えず、

淡々とおねぇまの暖かさをお伝え出来れば良いのかな。


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こんな写真が出て来た。
by funny-girly | 2013-03-31 01:24 | Comments(10)
能楽堂・・・不思議なところ。

白足袋を履かない限り歩いてはいけないという。

立ってみて納得。

何と云う、この、木の感触。

踏むうちに、足袋の底が、鋭敏な皮膚になった気がする。


音・・・どんな些細な音も逃がさない。

自分の声が、客席ばかりか、自分の中に聞こえてくる。

舞台全体がイヤモニになったよう。

無声音で台詞が云える!

衣擦れの音ってこんなにも響くものなのか!

「裾を引きたい」ってわがままに思ったことを云い、それが叶っただけなのに、
こんな、こんな、こんなにも衣擦れの音が私を助けてくれるなんて、
想像すらしなかったのに・・・


日本人って凄い!

こんな、凄い劇場を、劇場の決まりを作っていたなんて!

松葉目の前に立ち、舞台の前方に一歩出ただけで、自分でも立体感を感じる。

日本人って凄い。

その、おこぼれに預かる事の出来る我が身の幸せを深く感じる。

・・・そう、思うと、改めて、これからの公演が恐くなる。

まずは、国立能楽堂・・・どうぞ、この私を、この大石りくを、
優しくお迎えくださいますように・・・

精一杯、努める私をお迎えくださいませね。


衣裳部屋で写メを・・・
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緊張のあまりこんな風になるオバカ
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by funny-girly | 2013-03-25 10:48 | Comments(10)
初めてのことをしようと決心した時には、燃える。
後先の考えもなく、燃えて、突っ走る。
突っ走ってしまったら、もう止まらない。
やりたいって思ったことの実現に向けて突っ走る。
我が身は、まったく、かえり見ない。
身の程もわきまえない。

本当にあきれるほど、我が身を知らないし.
我が頭のていどもわかっていない。
ま、解らないからこそ、突っ走知るのかも知れないのだが。

最初、平岩弓枝先生の小説「花影の花」大石内蔵助の妻りく、を、
朗読すると云う、簡単そうなお話を頂いた。

小ホールのステージを頭の中に描いた。オーケー。
立って読むか、座って読むか、動きながら読もうか、、、、。

演出の気心知れた青井陽治先生と相談した。
うかつな私はそこで初めて「能舞台」と知った。

頭に浮かんだ、簡単な朗読の「絵」がすっ飛んだ。
能舞台に上がって?立って読む?座って読む?動きながら?

どうしても自分が浮かんでこなかった。
どうしても自分がサマにならなかった。

大石りく・・・赤穂浪士&大石内蔵助の影に霞んで見えない存在の女、大石りく。

能舞台に、大石りくが見えた。
あの、舞台で、私、りくを生きたい!

平岩弓枝先生ご自身が脚色なさった脚本があった。

朗読ではなくて「台詞」を下さいと上演台本の笹部博司さんにお願いした。
そうなったら無我夢中になってしまう私なのだ。
笹部さんは頑張って下さった。

第一稿、第二稿と苦労をして下さった。

さて、犯すことの出来ない聖なる舞台と思っている「能舞台」
さて、そこで軽々しく1人で芝居をして良いものか、、、。

能舞台に許されること、許されない事、能舞台のノウハウ。
制作の岡本女史が「藤間宗家にお願いして」となって、
これ以上ない助っ人の登場となった。
最初テープを覚悟していた鼓も「生で」となって私はすくんでしまった。
宗家と仲良しの、劇団新派、音調部の堅田喜三代さんが快く承諾。
1人舞台の舞台に相方が出来た。

ここまで、揃って、今は私が、いかに「りく」になれるか、
1時間30分、相手を想像して話す「台詞」を覚えられるか、
お能の手法で、時空を飛び越える所作を美しくやれるか、
自分1人に掛かって居る。
責任は重い。
しかも、どんどん重くしたのは、誰あろう、この私なのだ。

ブログなど書いている場合ではない。

しっかりしろ!りくのように。
聡明になれ!りくのように。。。と、これは、無理。

たった1人の為の広い稽古場。
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藤間宗家の頼もしいお背中。
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by funny-girly | 2013-03-09 12:04 | Comments(5)
演舞場公演もアッと思う間に。

あの、客席にお客さまがお入り下さって。

大笑いに笑って下さった。

お客さまの笑い声って、これほど華やかなものはない。

そして、宴の日々は終わり、楽屋から皆、去っていった。


私も、、、、、トラちゃん達の所へ戻った。猫まみれ。


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そう猫まみれのホームレス。
何故って、床暖がダイニングにしかないんだもの。
その床で、ニャンにまみれてテレビをダラダラ見て、スースー寝るのが一番の癒やし。

トラは毎日必ず、充電する。
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何故か充電器のそばで一度は寝る。???何故何だか解らない。
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いつも充電とはかぎらない。
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トラ・ニャンモナイトと呼んでいる。

親バカな私。トラが我が子、本当の子のように感じている。
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思慮深げなトラさま。
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トラさまのこの目ジカラ!
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そうそう、まみれてばかりはいられない。
大石りくの1人芝居のお稽古が。。。


トラさまのお見送り。
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しっかりやってこいよ!と云っている。
はい。がんばりま〜す。大石りく。
by funny-girly | 2013-03-02 16:13 | Comments(14)