もう、どーにも・・・

南座の2回公演を終えて、

楽屋口から京の都は四条の橋のたもとにフラッと出た。

何の予定もない夜だった。

はや9時を過ぎているから、今日の食生活は終わりと決めていた。

1番新入りの弟子、劇団四季から新派に来た変わり種、木内君が、

「お疲れさまでした」と足早に横断歩道を飛んで行った。

ひょろっと母の弟子、今月1番忙しい田口くん「何かありますか?」

少し歩いて帰るつもりと云ったら、途中までお送りをと云ってくれた。

四条の橋を渡って、木屋町に差し掛かったら、

足が勝手に右折して木屋町を歩いた。

「へへ、ひょっとして?」と、田口マモ、

もしも彼が犬なら千切れるほどにシッポを振っているって感じで云った。

引き寄せられるように大きな赤提灯を潜って戸を開けた。

赤提灯には「蘭」って大きく書かれている。

思い出いっぱいのお店だ。

最高の寿司を食べられる店だ。

でも、大将が亡くなって、たまらない淋しさを感じて、足が向かなかった店だった。

「ようこそ」って、女将さんが変わらない笑顔で迎えてくれた。

カウンターの中に、若旦那の、大将のひとまわり小さい輪郭の笑顔あった。

お菓子の修行をして、美味しいデザートを出してくれる若旦那だった。

時間は9時を30分過ぎていた。

ま!いいや!今日は10時を門限にしようと決めた。

私の中の蘭寿司ベストスリーを一巻ずつ頼んだ。

中トロ! う〜ん、お父さんよりフンワリしたにぎり方だったが、

ネタ!ご飯!う〜ん!確かに夢にまで見る「蘭の味」だ!

さば寿司!大きなサバのお腹にチョコットのご飯!酢で締めた薄ーーい昆布!

う〜〜〜〜ん!美味!ウマ!これもまさしく「蘭の味」だ。

穴子が焙られてやって来た。

ご飯は?いったい何処にあるの? 無いの?って云うほどの穴子だった。

焦げ目が美味しい!甘ダレが、お父さんよりちょっと甘いかな?

しかし、美味しい。クセになる。この甘さが、若旦那のオリジナルの気がして嬉しい。

駄目だ!こんな歌があったっけ。

「もう、どうにも、止まらない!」

イカ!シマアジ!顎が疲れ果てるような弾力の赤貝、ひも。

おおお!鉄火は、一晩中でも食べていたい!

3回サバをおかわりして、、、明日は反省の1日。

若旦那、得意分野のデザートは、透明になった柿の実に隠されて柿のシャーベットが!

もちろん、名物の大きなおはぎも!

私には一口大にして下さったおはぎ!

この、心遣いが、何とも嬉しい。

良い夜だった。嬉しい夜だった。

また、木屋町に、足が向くのを、、、どうにも止まらない、、、だろう。

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頼もしい若大将。
by funny-girly | 2012-11-08 02:32

水谷八重子 タワゴト
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