毎日が楽しい。
喜劇公演だからだろうか。
いいえ、喜劇は緊張する。
特に「花登」喜劇は一杯ある歯車が精密に廻ることを要求される。
その、どの、どんな小さい歯車でも、カチッと、ほんのちょっと、
突っかかっても、すべての歯車に響いてくる。
「花登」喜劇は綿密に計算された、歯車劇なんだ。
主役だって歯車の一つ。
細かい小さな歯車が廻って廻って来て、初めて廻れる歯車なんだ、、、って
初演から何十年たった今、つくづく思い知らされる。
花登先生がいらっしゃらない今、それを教えて下さるのは、
お客さまだ。実に恐い。花登先生よりも恐い先生だ。
歯車の狂いを見逃しては下さらない。
その証拠に、笑いを下さらない。
それだけに、恐くて楽しい。
芝居はひとりでは出来ない。みんなの歯車で作る大きな時計。
新喜劇、新派、そして梅雀さん古手川さん、紅葉さん、、、
初めてのメンバーが楽しく歯車を廻して行く。
「じゅんさいはん」新派の数少ない「新派喜劇」のひとつ。
喜劇の王さま新喜劇と混じって、楽しく廻っています。
25日までの新橋演舞場公演、是非、お出かけ下さいませな。