かおり、香り、薫り、PART 2

私は香りを纏うのが好き。好きと云うより香りがないと忘れ物をしたって感じ。
外出するのに、パンティを履き忘たって感じ。
まして、一段高い、舞台に出るのに、香りで武装しなくては、、、と思うのだ。

何が切っ掛けで、こんな、香りフェチになったのかというと、
これは又、はっきりとしている。

私がまだ、十代の頃、ジジ・ジャンメールが、来た。
来た! まさに 来た!のだ。
今みたいに、猫も杓子もやって来て居ながらにして、観られる時代ではなかった。
確か日比谷公会堂だったと思う。
確か衣装は、イヴサンローラン。
確かフルコースのディナーの一皿一皿の名前が付いていたと思う。
その中の、、、、確か(確か、、、ばかりでAHみたい)あれは、
ピンク・シャンパン、、、だったと思うが、
上手の袖から、ピューーーーって登場。バン!と決まったら、
ジジの身体の四倍位の分量の羽が、一間遅れて、フワ〜〜ンと、
彼女のお尻に付いていた。
その途端に、、、、前から二十番目位の私の席が、彼女の香りに包まれた。
ぅ、ワーーーーと、胸が高鳴った。これこそがゴージャスなジジだ。パリだ。
イヴサンローランの衣装の一部、ジジの香りがジジの勲章のように思えた。

後から、経験で知ったのだが、鳥の羽には香りが、
良く残ってくれる。消えないでいるのだ。
毎回付けるたびに、上から上から、重なって残って行く感じだ。

香りって、長いこと同じ香りを付けていると、だんだん鼻が麻痺して来ちゃう。
付けても付けても、自分では匂わない。
結果、周りにいる人が、ゲホッゲホッってむせて嫌われる。

自分の付けたことのない香りは敏感に感じる。
美空ひばりさんに望まれて、新宿コマに出たとき、
ひばりさんの、早変わり部屋から、どーっと流れてくる香りは、、、
ジョイ?、、、ディオリッシモだと思う。ショーと芝居に出ずっぱりの彼女、
すっごいスタミナ(特にノド)の持ち主だけれど、
ディオリッシモにアリナミンが混ざって香っていたのを思い出す。
素敵な人だった。すごい人だった。

五木ひろしさんの公演に出たとき、
確かあれは、奥さまと出会ってメチャ当てられることになった公演だ。
みんなが集まって、食事ってことになって、
座長の五木さんのお風呂を待っていた。
さっぱり湯上がりの五木さんが、隣に座った。
ほのかに、かすかに、石けん?
「良い香りの石けん使ってらっしゃる」と云ったら、
「なんか匂いますか? ショーの時に付けた匂いがまだ残ってるんですよ」
「何てコロンですか?」「アルマーニの男モンで、、、来月新派の楽屋に届けますよ」
婚約発表、記者会見、等々、、、。届くはずもない忙しさだ。
アルマーニの店に行って、男モンを出して来て貰った。
違う。甘いお風呂上がり感がない。柑橘系の鋭い匂い。
男モンはこれしかないと云う。女モンをお試し下さいってことになった。
あ、あ、これこれ、これだ。
湯上がり石けんを手に入れた。
かなり長い間使っていたけれど、弟子のヒンシュクをかって、
止めてしまった。付け過ぎたのだ。
鼻が慣れすぎて、バシャバシャかけ過ぎて、香りを壊してしまったのだ。
「パフューム」の主人公も、きっと鼻が曲がったに違いない。

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by funny-girly | 2007-03-30 14:58 | 何でしょネ

水谷八重子 タワゴト

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