カテゴリ:芝居( 50 )

フォーラム

暑かった、、、ですね、今日も。
でも、ほとんどを、涼しい(イエ、寒い)デパートで過ごしました。

花形若手新派公演は、今日は昼間一回公演。

その後に、日本演劇協会主催のファオーラムがありました。
協会員の私は、そのトークに出席したんです。

新派120年を振り返って、演劇評論家の水落 潔氏が司会。
至極真面目に、進行しました。

後半は、この公演のゲスト片岡愛之助さんが加わって、
今現在公演中の「紙屋治兵衛」と、作者の北條秀司先生の事などおしゃべりをしました。

結構、堅く、堅く、収まったんじゃないかしら。

後になって思うと、小春役の、瀬戸摩純を
少しも誉めてあげなかったことに気が付いた。

同じく、おさん役の、鴫原 桂ちゃんも
誉めるところがいっぱいあったのに、
何にも云ってあげなかった。
身内を誉める、、、これって、、、なんか、
とても気恥ずかしいって思っちゃったんですよ

やっぱり、身内なんですよ、ね。
「瀬戸摩純さん、良くやってましたね」って云われると
「いいえ、まだまだ、、、そんな、、、」なんて答えてしまうんです。


しかし、北條先生の舞台作りには、改めて「スゴイッ」って思い知らされました。


先生がまだまだお元気で、私が初めて、小春をやらせて頂いたとき、
最初の小春の登場の衣裳はすんなり決まったのに、
次の「散財場」つまり大勢の遊び仲間が、遊女を一杯呼んで、
飲めや唄えの大騒ぎで、湯水のようにお金を散財する場面。

その絶好調の真っ直中に、他所の座敷から小春が帰ってくるのだが、
その衣裳が、先生のお気にいらない。
「これしかないのか!」「強い色を持ってこい!」

何枚着替えても、先生のお気に入らなかったのだ。

困り果てた衣裳さん、とうとう真っ黒な芸者の出の衣裳を持ってきた。
「これで、模様のところがもっと面白いのがないのか?」

持ってきました衣裳さん。
まるで東京音頭を踊りそうに、裾に桜の花が、
バカーッと開いた、不思議な座敷着。

「おもろいやないか」とこれに落ち着いた。
以来、7回小春をやらせて頂いていたけど、その衣裳を毎回、着ていた。
北條先生の芝居は一回決まったら、誰にも変えることは出来ないのだ。
だって、北條天皇と呼ばれていましたもの。

今回、狭い三越劇場でもあり、
最初の衣裳と、散財場の衣裳を、小春は、入れ替えて、着ていた。

それを観て、恥ずかしながら、初めて気が付いた。
天皇の芝居作りの怖さ確かさ色彩の美学。初めて先生の凄さにひれ伏した。

大勢の酔っぱらいがグチャグチャに遊んでいる中、
普通の常識に掛かった遊女の衣裳では、めり込んでしまう。
この、大きなガタイの私でさえ、クッキリと目立たせたかった天皇の計算。
ゲームに負けて、取り囲まれて、帯を解かれる。
グルグルとハデに回されて、解かれた帯の下から、真っ赤なしごきが現れる。

そして、そのまま治兵衛と小春は、二階の小部屋でシンネコになる。
イチャイチャとする内に、エキセントリックな小春は、
おさんにモーレツに嫉妬する。

「おさんさんとは別れて」と治兵衛の首まで締め上げる。
そんな、小春の激しさが、真っ黒な着付けに真っ赤なしごき、治兵衛に
馬乗りになる裾には、ピンクの東京音頭の桜が開く。
きりきりと締めた真っ赤なしごきは、女のくびれた曲線を、
思いっきり見せられるのが、女優の強み。

と、、、これは、長谷川一夫先生に教えられたことで、
これまた、10代の頃から、不思議と守った教えの一つなんですけどね、、、。

その後の場から最後までは、羽織を着ているし、逃げ出してきた地味ななり。
色っぽい拵えは、散財場〜二階までの間だけ。

北條先生は、呑気な私を、生身の小春になるように、
そう、お客さまから観ていただけるようにと見張っていて下さった。
幸せな育ちの女優だと、つくづく思う。

ウルサガられても良い。これからの若手に、北條先生を伝えて行かなくては。
by funny-girly | 2008-08-19 05:40 | 芝居 | Comments(4)

紙屋治兵衛

明日、初日です。
三越劇場に是非行ってやって下さいませ。

私のところで勉強をしている瀬戸摩純が、
私が何回もやった「小春」をやります。

久里子さんのところの鴫原 桂ちゃんが、
師匠のやっていた「おさん」をやります。

今の坂田藤十郎兄さんが扇雀時代になさった「治兵衛」役に、
今人気の片岡愛之助さんを、迎えての新派若手の120年公演です。

私と久里ちゃん、代わり番こに稽古を観に行って、
明日、、、いよいよ初日です。

自分が迎える初日とは又別の緊張感に包まれております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
by funny-girly | 2008-08-09 12:12 | 芝居 | Comments(0)

今月の私は、本当に「運」が良い。有り難い。嬉しい。楽しい。

夜の「鹿鳴館」では、まだ一つにもならない子供を、芸者ゆえに手放して、伯爵家に嫁入りし、、、立派な若者になった息子と劇的な再会、そして告白、、、そして、別れ、、と、三島先生の悲劇の世界を演じているのだが、子を持ったことのない私が、体験しても居ない「母」を、芝居を離れて体験させられている。
そんな私の感情が、お客さまにどう伝わっているのかは、まったく解らない。それが良いことなのかどうかも、自分では解らない。
でも難しい台詞の真っ直中にいて、「母親」の感情を掻きむしられるのは女優冥利に尽きる。

昼の「婦系図」では、悲劇のヒロイン、お蔦の姉さん芸者。
「別れろ、切れろ」と二人の中を裂いた酒井先生の愛人役だ。
酒井先生の美しい可愛いい天使のようなお嬢さま「妙子」さまと出逢ってしまう。
こちらは、母とは名乗れずに苦しむわけだが、最後の最後に、お蔦に何もかも打ち明ける。打ち明けるまでに、母と云えない苦しさ、見事に成長した娘の眩しさ、愛おしさにこれまた心を掻きむしられる。
そんな筈ではなかった、と思っていたのに、、、。
だって、妙子役の紅 貴代さんとは、何十年という付き合いだ。娘、よりは姉妹なのに、、、ものの見事に我が子になってしまうのだ。芝居を感じさせない可愛さで、私の感情を掻きむしってくれる。幸せをつくづく感じる今月の芝居だ。

それにしても、泉 鏡花作品も、三島由紀夫作品も、私の役は芸者&元芸者。
芸者故に、子供を手放し、子を慕って泪する。

やっぱり新派。
花柳界あっての新派。
花柳界こそ、日本独特の文化なのだと思うんです。

男性の皆さん、遊んで下さい。粋に、楽しくカッコ良く。芸者さんにもてて下さい。
奥さまがご一緒でもかまいません。日本の文化を守るんですもの。

そして大勢さん連れだって、新派の芝居にお出かけ下さい。

昔の日本人はこんなにも、つましく、細やかに生きて居たんだな、と愛おしんで下さいませ。
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by funny-girly | 2008-06-24 02:01 | 芝居 | Comments(1)

楽屋生活

舞台最優先の生活が始まりました。
初日を祝ってくださるお花の数々。
どんなに有り難いか、どんなに嬉しいか、感謝の気持ちを、
一秒でも早く、お知らせ申し上げたいのに、
台詞の復習(すぐに自信がなくなって)やら、
睡眠時間やら、やるべきことばかりで、
お礼状をお出しできないのが凄く辛い。

わー「降るアメリカに袖はぬらさじ」の籐吉どんが、こんな見事な紫陽花を、、、
鹿鳴館の元の顕子だったしのぶちゃんが、「風流深川唄」の長さんだったお父様と、、、
「恋女房」「滝の白糸」の恋人だった愛之助さん、
「四人は姉妹」のTAKAくんも、、、頂くなんてもったいない森  光子先生。

ドキドキしながら、紅と台本とを行ったり来たり、、、、

そんな、何日経っても落ち着けない私をお花たちが、
優しく眺めてくれています。

新派120年、、、改めて恐さが募ります。

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by funny-girly | 2008-06-11 14:02 | 芝居 | Comments(7)

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もう一人のゲスト、片岡仁左衛門さんも稽古に加わって、
婦系図も本格稽古に入りました。
孝夫ちゃん、イエ失礼、松島屋さん、すなわち仁左衛門さんが何やら、
ブツブツ云ってらっしゃいます。

「新派も変わったモンやな」???
「こんな色んな小道具一杯出していちいち本物使うて、まるで素人やな」


そうなんです。昔は新派も歌舞伎と同じに、小道具は有るツモリ、、、で、
全て懐の手ぬぐいと扇子で、稽古は進むんでした。
つまり、落語家さんと同じで、手ぬぐいと扇子で済ますのです。

何時の頃からか、本番通りに小道具が、稽古場に持ち込まれ、何か一つ足りなくても大騒ぎになる、、、そんな稽古に変わって行きました。

本番用の物を使わないと、イメージ出来ない若い人が増えて、
致し方のないことなのかも知れません。



何十年も前のこと、東宝の稽古場で、森繁久弥先生と三木のり平先生が、
ダルマストーブに当たって、熱いお茶を飲みながら、台詞を交わす、
お二人の手の中に、お茶碗がはっきり見えたんです。

森繁先生は熱いお茶の入った丈長の湯飲み(それも厚みのある湯飲み)、
のり平先生は、丈の短い普通の茶碗を(普通の茶碗は厚みがないから手が熱い)
そこまで見えるお二人の湯飲みだった。
もちろん、お二人のお手に、小道具なんてない。
「茶碗を持ったつもりで、お茶を飲んだつもり」の芝居を
何気なくやりながら、お二人の台詞は進行した。
飲んだお茶の料もちゃんと減って冷めて行った。
お茶の熱さ、器の厚みの違いまで観てる者に見えてくる。

芝居って凄いモノだなあ、芝居って恐いモノだなあ、、、

こんな経験をした私だって、稽古に「モノ」が有った方が有り難い。
ド素人なのでしょうけれど、舞台稽古で思い通りのモノじゃなくて慌てたくない。

モノによっては新派、ド素人の稽古が、身について仕舞って居るんです。



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鹿鳴館の大事な小道具になった扇子です。母が中国の京劇の名優、
メイランファンさんから、頂いた扇子です。母が朝子の持ち道具として使いました。
今私が稽古場でまで使っているのは、小道具さんの復元品です。
by funny-girly | 2008-05-31 12:07 | 芝居 | Comments(9)

稽古、稽古、稽古

稽古、稽古、稽古、、、です。
團十郎さんの影山は、ウーン、、とニックイこと。ウーン、、、大きなこと。
ウーン、、、強いこと。
パワー、エネルギー、、、隠し子の母と知った妻に、憎悪の感情を抑えて、抑えても、
巨大な噴火山のように、、、容赦なく降り注ぎ、私ごときは、溶岩の熱に浮かされてしまう。凄いんですよ。もの凄いんですよ。超!凄いんです。

恐いです。この凄さに立ち向かうのは。
それも、あくまでも、優雅に、たおやかに、立ち向かわなければ。


「婦系図」のお稽古は、さんざんやり尽くされて来たいわゆる新派古典。
それぞれが自分のやることを確認しての納得稽古。
お囃子やうたの寸法に併せる稽古で、もう、生のお囃子が入ってます。
藤間の宗家が、1月に引き続いて、ここでも、ちょっぴりお茶目を発揮なさって、
今日は三味線を弾いて参加です。  楽しいですヨ

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by funny-girly | 2008-05-30 13:26 | 芝居 | Comments(3)

わーーー

「風のつめたき櫻かな」サザンシアターで今日初日の文学座を観に行った。
良かった。
観に行って本当に良かった。
劇団って良いな。文学座って劇団、好きだな。

鹿鳴館を初演した劇団。
杉村春子先生の劇団。

新派とは親戚のような感じのする劇団。
だって、この「風の、、、」の演出家、戌井市郎先生は、
今、稽古中の鹿鳴館の演出の先生だし、
大、大先輩、喜多村緑郎先生のたしか甥御さんだ。
文学座の先生と云うより、新派の先生なのだもの。

お話が進むに連れ、どんどん引き込まれて来る。
登場人物全てが、本当にその人なんだと思えてくる。
役者、俳優、演者が巧妙に消えてしまう。
芝居を観てるって気がしない。そこに私が居て聞いて見てた。

自然、、、何て凄いんだろう。自然、、、の芝居の前では、
「芸」なんて、何の値打ちも無くなっちゃう。

良い芝居を観ると、、、自分が芝居するのが恐くなる。
あぁ、、、観るべきではなかったのかも知れない。
でも、新橋さん会いに行ったら、あんなに喜んでくれたし、
91才の掛け持ち演出家、戌井先生のお元気な、、、でも、
新派の時より、やや厳しいお顔にも出会えたし、、、
この感動を、エネルギーにして、頑張らなくちゃ。

ちなみに6月1日まで、サザンシアターです。


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こんな呑気でいてみたい。(ウチの子じゃないです)
by funny-girly | 2008-05-23 02:13 | 芝居 | Comments(3)

嬉しい

小さな小さな三越劇場の幕が上がると、誰もいない舞台。
客席から、いわゆる、、、ジワが来る。ジワって、待ってました!って歓声ではない。
「わー〜〜〜」じんわり「良いわね」って感じのお客さまの雰囲気だ。
何たってそれが嬉しい。
古川雅之、北内隆志、両氏の美術、照明が、私達に生活のオウチを作ってくれた。
そして、新派文芸部の斎藤雅文氏によって作られた私達登場人物が次々、生活の場所オウチに帰ってくる。本当に帰ってくるって云う感じなのだ。
音響効果も、99パーセントが生身の役者が、袖で生でやっている。
2階の宴会のどんちゃん騒ぎも、狭い舞台裏で大勢で熱演している。それをマイクで拾って、タッパの低い天井に仕込んだ、小さなスピーカーから舞台に流す。
効果、内藤博司氏のご苦労が支えている。新派の邦楽音調部、堅田喜三代氏が生の三味線で頑張っている。
小さな小さな三越劇場の楽屋に、劇団員32人ひしめき合って入っている。嬉しい。
空間を埋めてくれる小道具さん、何が大切なのかを一番解っている人だ。嬉しい。

朝日新聞、読売新聞、東京新聞、スポニチ、日経新聞と劇評が出た。

まず、作品、舞台、誰が上手いの下手なのではなく、作品とそこに生きた役者を認めて下さる嬉しい評ばかりだ。

北條秀司先生が「フフフ、、、」って、笑って見下ろしていらっしゃる、、、って、そんな気がしてならない。

家族って良いな、、、ってつくずく思う。同じ釜のメシを食う家族。劇団って家族の嬉しさ、愛おしさに、疲れた身体を家に運んだ途端に、すぐまた劇場の家族に会いに行きたくなってしまう。そんな時が、役者にとって一番幸せな時なんだと思う。

昭和27年が舞台のこの作品、、、、当時、私は、、、まだ、、13才。
何の苦労も知らずに、のうのうと過ごしていたけれど、母はどんな思いで私を見ていたことか。この芝居を通して、、、この役を通して、、、急に母が懐かしく、恋しくなっちゃったのも、とってもヘンだけれど、、、、これも、嬉しい。
by funny-girly | 2008-01-17 01:02 | 芝居 | Comments(1)

女将

初日、明きました。
良い芝居なんだなあ。好きです。
でも、上手くやれない。何とか!何とか!
頑張ります。新派の仲間は、熱い!嬉しい!
明日は何処が、女将の恵美になれるんだろうか、、、。

ああ、「女将」斉藤さんの緻密な演出。贅沢な陰の声。
愛しい、みーんなかが、堪らなく愛しい。

さあ、明日も女将は働きます。
by funny-girly | 2008-01-04 00:27 | 芝居 | Comments(2)

お稽古って面白い。今年初めて参加してくれる、安井昌二、柳田先輩は、新派のベテラン、、、昔から、石之助であり山村なのに、新鮮。5年参加しているレギュラー女優陣には、慣れが見えてくる。そりゃー比べることの出来ないキャリアで失礼になるんだけれど、、、、その違いがイヤでも、見えてきてしまう。再演の難しさ。稽古を積んですっかり我がモノにしてから、いかに白紙に戻して、リセットして、初めて出会う出来事として芝居をすることの難しさ、、、、。
朗読にも、慣れが出て粗末になっていないだろうか?と心配しつつ、、、34年ぶりに再演される1月の芝居に胴震いが起こって来る。
それにしても安井さんのセリフのトーンが心地良い。
内田まどかちゃん(ちゃんなんてゴメンでもこのカンパニーに入ると、ちゃんって呼びたくなってしまう)の明るさ、、、、声の響きが愛らしい。


この麻布区民センターって、お客さまの数だけ、幾らでも椅子が出せるんです。
夜の部は、まだまだありますよ。いらして下さいな。
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by funny-girly | 2007-12-07 09:35 | 芝居 | Comments(0)

水谷八重子 タワゴト
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